いつモノコト

デスク周りを美しく ラインデザインのコクヨ電源タップ

コクヨ「Energy Line(エナジーライン)」。実売価格は7,700円

電源タップを快適に使うコツのひとつに、デスクの端などにしっかりと固定しておくことが挙げられます。力を加えても動かなくすることで、プラグの抜き差しが片手で行なえるようになり、オペレーションはぐんと容易になります。

とはいえデスク上に電源タップが存在すると煩雑に見えるため、固定するならば外観もなるべく調和の取れたデザインが望ましいところ。今回紹介するコクヨのEnergy Line(エナジーライン、APP-04H200)は、そうしたニーズにぴったりの製品です。実際に製品を購入したので、レビューをお届けします。

ライン形状のフリー差込口で見た目スッキリ

本製品は、デスクの天板に固定できるクランプ式の電源タップです。本体色はホワイトとブラックの2色があり、筆者は今回、天板が白のデスクに取り付けることを前提に、ホワイトモデルを購入しました。タップ本体のサイズは96×66×80mm(幅×奥行き×高さ/クランプのネジ部除く)です。

本体。ライン形状の差込口を採用しています

本製品の最大の特徴は、どこにでも挿せるライン形状のフリー差込口を採用していることです。見た目には2本のスリットが横一列に入っているだけで、プラグが挿されていない状態では電源タップに見えず、それゆえデスクと調和が取れて見えるというわけです。この差込口は45度よりもやや緩い傾きで、プラグを抜き差ししやすいのも利点です。

またデスクに取り付けるためのクランプは底面に最小限の突起があるだけで、見た目にもスッキリしているほか、さらに背面もカバーで覆われているため、クランプ構造が外部に露出しているが故のゴツゴツ感がありません。一旦取り付けてしまえば、デスクにもともと備わっていた部品のように感じられます。

横から見たところ。口は傾斜をつけて配置されています
背面。クランプ式の電源タップによくあるゴツゴツ感がなくすっきりしています
デスクの端に取り付けた状態。電源タップらしくありません
後方より。配線は内側に向かって伸びるため目立たないのが特徴

この差込口の幅は77mmあり、一般的なコンセントであれば、横に最大5つまで差し込むことができます。横幅を取るACアダプタを差し込む場合も、間隔を自由に調整できるため、一般的な電源タップのように、隣の口を無駄にすることがありません。最大1,500Wまで対応するなど容量も十分です。

さらに電源ケーブルの長さも2.3mと、このクラスの電源タップとしては余裕があるほか、デスクの内側方向に向かって伸びるように配置されているため、外側から見ても目立ちません。電動昇降デスクのように、天板裏の中央付近にケーブルボックスを備えたデスクであれば、配線をほぼ完全に隠すこともできます。

同梱品一覧。滑り止めのプレートなどが付属します

唯一の注意点は対応するデスク天板の厚みで、19~29mmまでと、競合製品と比べると範囲はやや狭い印象です。別売のネジを使えば15~19mmにも対応できるとのことですが、天板とフレームをまとめて挟むような取り付け方だとより厚みが必要となることから、本製品は対応できない可能性があります。この点は十分に注意したいところです。

ライン形状のフリー差込口は間隔を気にせずどの位置でも差し込めます
差し込める口数は「一般的な家電プラグであれば最大5口まで」。試してみたところ、6つまでは刺さりましたがオススメはできませんし、本製品の特徴であるデザインが活きないという課題もあります。難容量は合計1,500Wまで
大柄なACアダプタや充電器も工夫すればスペースを無駄にせず差し込めます

デスク周りの見た目を重視する人にお勧め

そんな本製品は実売7,700円と、電源タップとしては値が張ります。集中スイッチや雷サージガードなど付加機能もあるわけではないので、デザインに全振りした結果の価格ですが、それでもデスク周りの見た目を重視する人には実にそそる製品です。今回筆者は電動昇降デスク本体と同じタイミングで購入したのですが、満足感は非常に高めです。

ネックは販路の狭さでしょう。本製品はコクヨがワークサポートツールのラインナップのひとつとして販売している製品で、本稿執筆時点ではネット上で取り扱っているECサイトを見つけるだけでも一苦労です。新製品ゆえこれから販路が増えていくのか、あるいはこのまま知る人ぞ知るアイテムとして存続するのかは分かりませんが、デスク周りの美観を整えたい人は、探してでも入手したい製品と言えそうです。

パッケージは簡素なビニール梱包。店頭売りは想定していないようです
山口真弘