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静岡県、富士登山にアプリで事前登録義務 入山料4000円

5月9日から、富士山の静岡県側登山口(富士宮・御殿場・須走ルート)では、入山前の事前登録と入山料の納付が義務化される。対象は、県が定める基準点から山頂側に立ち入るすべての登山者で、同日より運用を開始する「静岡県富士登山事前登録システム(静岡県FUJI NAVI)」での登録が必要となる。入山料は1人1回4,000円。

新たな制度では、事前登録に加え、富士山の保全や安全登山に関するルール・マナーの事前学習をeラーニング形式で受講。その後、「入山証(二次元コード)」を取得できる。入山証は各登山道の五合目で提示が求められる。また、14時~翌3時までの時間帯に登山する場合、山小屋の宿泊予約が必須となり、五合目入口で確認が行なわれる。

事前登録システムは、レシップの提供するコンテンツ・マネジメント・プラットフォーム「LECIP CMP」および予約・決済機能を有する「QUICK TRIP」が採用された。登山者は、アプリ上で登山ルートの選択から入山料の支払い、事前学習の受講、入山証の提示まで一括で対応可能となる。また、現地決済(現金・各種キャッシュレス決済)も可能。

静岡県は2024年に同様の管理方式を試行しており、2025年の条例改正にあわせて本格導入する。オーバーツーリズムの抑制や登山時の安全確保、環境保護との両立を目指す。システムは日本語を含む7言語(日/英/中(簡・繁)/韓/ベトナム/タイ/インドネシア)に対応する。

なお、教育課程に基づく活動や障害者とその介助者など一部には入山料が免除される制度も設けられている。事前登録は登山予定日の2週間前までに申請する必要がある。また、報道機関など、富士登山条例で登山者に該当しないとされる者については届出により規制の対象外となる。