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増え続けるフィッシング被害、国内カード8社が業界横断で対応へ
2025年3月31日 12:48
国内カード会社8社とACSiON(アクシオン)、日本クレジットカード協会(JCCA)は共同で、フィッシングサイトを閉鎖する取り組みを4月から開始する。
フィッシングサイトからクレジットカード情報などが詐取される被害を防止することが目的。各カード会社は自社ブランドを騙るフィッシングサイトを閉鎖する取り組みをこれまでも行なってきたが、カード番号などはほかのブランド・企業を騙るフィッシングサイトでも搾取されるため、共同で、能動的にフィッシングサイト閉鎖に取り組む環境整備を進める。
国内カード会社8社は、イオンフィナンシャルサービス、NTTドコモ、クレディセゾン、ジェーシービー、三井住友カード、三菱UFJニコス、ユーシーカード、楽天カード。
豊富な経験・実績を持つアクシオンのノウハウを活用、フィッシングサイトを集中的・能動的に検知して閉鎖依頼を行なうことで、フィッシング被害の抑制を図る。閉鎖依頼には、Webブラウザを開発・提供する企業への不正サイト申告、インターネットサービスプロバイダーへの不正利用通報、ドメインレジストラへの無効申請、フィッシング対策協議会への通知などが含まれる。
また、フィッシングサイトが多く報告される企業や業界団体に対し、自社での自発的な閉鎖対応の要請や、閉鎖対応に必要なノウハウを提供。閉鎖に取り組む環境整備を共同で呼びかけていく。
止まらないフィッシング被害
2024年のクレジットカード不正利用被害額は555億円で、過去最高額を記録。そのうち約92.5%を番号盗用による不正利用が占めた。背景にはフィッシングサイトの増加があり、2024年のフィッシング報告件数は約170万件と、前年より約50万件増加した。
フィッシングで悪用されるサービスや企業は、カード会社や金融機関のみならず、ECショッピングサイトや公共インフラ・サービスなどに多様化、手口も巧妙化している。2024年6月18日には「国民を詐欺から守るための総合対策」が犯罪対策閣僚会議で決議され、「フィッシングサイトの閉鎖促進」の必要性が謳われた。
今回の取り組みは、カード会社以外も含めて、フィッシングサイトの能動的な閉鎖に取り組む環境整備を進めていくものとなる。