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高さ390mの「Torch Tower」を支える地下空間を見てきた 東京駅前の建設現場

常盤橋タワー8階から見たTorch Tower建設現場

三菱地所と清水建設は、東京駅日本橋口前「TOKYO TORCH(トウキョウトーチ)」街区において開発を進めている「Torch Tower」の地下最深部をメディア向けに公開した。

TOKYO TORCH街区は「常盤橋タワー」と「Torch Tower」の2棟を中心とした街区で、地上38階・地下5階、高さ約212mの常盤橋タワーは'21年7月に開業、Torch Towerは23年9月に着工し、28年5月竣工の予定で建設が進められている。所在地は東京都千代田区大手町二丁目6番4号。

広域図
配置図
常盤橋タワーの隣接地(写真手前)で建設が進められている
現場の目の前に東京駅日本橋口がある

Torch Towerの規模は地上62階・地下4階、高さ約390mで、日本一の高さとなる。地下1階~地上6階に商業・広場、3~6階に約2,000席のエンタメホール、7~52階にオフィス、53~58階にホテル、59~60階に賃貸レジデンス、61階および屋上に展望台を整備する。

TOKYO TORCH 外観パース(提供:三菱地所設計)

今回公開されたのは、地下躯体工事開始後は見ることができない、今後の「Torch Tower」を支える地下約30m地点。建物中央部の掘削が地下最深部に到達したことから取材会を実施するとともに、今後の安全を祈願するため「鎮物埋納式」が執り行なわれた。

鎮物埋納式

Torch Tower周辺は西側に新幹線を含めたJR高架線、南側に東京メトロ東西線に近接し、北側には首都高速道路がある。

常盤橋タワー8階から見たTorch Tower建設現場。奥(写真上)に見えるのがJR高架線

施工を担う清水建設では、周辺地盤・インフラへの影響が少なく、かつ工程短縮が図れる工法を選択。また、10,000t/本を支える特許技術や、約390mという高さを支えるための施工難易度が高い構造形式を採用している。

建設現場地上の様子
地上部から見た地下の様子
地下約30m地点

東京の新たなシンボルとなる展望施設や温浴施設

Torch Towerの61階および屋上には、東京の新たなシンボルとして屋外空間併設の展望台を整備。53~58階にはアジア初進出となる5つ星ホテル「Dorchester Collection」を誘致する。

55階のホテルロビー「SKY HILL」イメージ(提供:三菱地所設計)

地上部では、街区全体で約2ヘクタールの屋外空間を整備するほか、商業施設を展開する1階から6階まで歩いて移動できる空中散歩道を整備する。

広場イメージ(提供:三菱地所設計)
低層部イメージ(提供:三菱地所設計)

地下1階から6階までの商業施設の規模は約4,500坪で、丸ビルや新丸ビルと同等の面積となる。約100店舗を展開するが、周辺では多くの複合施設が開発されていることもあり、同じようなものを作るのではなく、飲食のほかエンタメ系の店舗の誘致に力を入れていく。また、常盤橋は江戸時代の銭湯の発祥の地であることから、温浴施設の整備も予定している。

そのほか、東京駅周辺では大規模ホールが不足している現状を踏まえ、2,000席級の大規模ホールを整備。都心型MICEおよび文化発信の拠点となることを目指す。