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App Store、開発者の売上は約187兆円に 食品など物販好調
2025年6月6日 13:02
Appleは、App Storeを利用して世界中のデベロッパ(開発者)が、2024年に1.3兆ドル(約187兆円)の売上を記録したと発表した。この売上の90%以上について、Appleへの手数料は発生していないとも指摘している。
App Storeとデベロッパの売上について、エコノミスト・大学教授らの新たな調査という形で、2019年からの5年間で大きく拡大している様子やその規模、背景が明らかにされている。
調査では、アプリの収益化方法がこれまで以上に豊富になっていることが示された。ゲームアプリやツールなど「デジタル商品・サービス」の売上が合計1,310億ドルだったことのほかにも、食品配達やテイクアウトなどを含む「物理商品・サービス」の売上は1兆ドル以上、「アプリ内広告」収入は1,500億ドルだったことが判明している。
2019年以降、「デジタル商品・サービス」「物理商品・サービス」「アプリ内広告」の3つのカテゴリーはすべて、支出が2倍以上に拡大した。特に食品配達とテイクアウトなどが急速に増えたことで、「物理商品・サービス」は2.6倍以上と、最も大幅に増えた。
世界の地域ごとにみると、2019年からの過去5年間で、米国、中国、ヨーロッパでApp Storeの売上は2倍以上になった。モバイル決済の一般化が影響し、米国でのデジタル決済の支出は2019年から7倍以上に増加。中国では電子商取引(EC)市場が大幅に拡大し、オンラインの食料品支出が2019年以降5倍以上に増えた。食品配達とテイクアウトの支出はヨーロッパで3倍以上。日本、オーストラリア、ニュージーランド、インドでは、旅行アプリが主な支出カテゴリーだった。
また、デジタルコンテンツの作成支援アプリが伸びているのも特徴。写真やビデオ編集アプリは「大成功を収めている」とし、新機能の導入も相次いでいる。
成功を支えるツールや機能への投資も紹介されている。App Storeの商取引システムは40以上の現地通貨に対応、200近い地域でシームレスな税金処理が可能になっている。デベロッパは宣伝だけでなく開発テストやアプリのパフォーマンスのモニタリングなど一連のツールのメリットを活用可能。決済システムはユーザー保護の取り組みにも有用とする。オンライン・対面のどちらでも開発サポートが提供され、支援環境に注力されている。
ブラジル、インドネシア、イタリア、サウジアラビア、韓国、米国では、デベロッパを目指す学生向けの無料カリキュラムを提供。また20以上のApple Foundation Programが、世界各地にあるAppleの18のデベロッパアカデミーにて、学生にアプリ開発の基本を提供している。
Appleは6月9日~13日(太平洋時間)にかけて、毎年恒例の「Worldwide Developers Conference」(WWDC25)を開催。デベロッパは100以上用意される技術セッションに無料でアクセスできる。