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楽天、25年第1四半期は全セグメント増収 モバイル改善

楽天グループは5月14日、2025年1〜3月期(第1四半期)の連結決算を発表した。最終損益は734億円の赤字となった(IFRS基準)。一方、事業の実態を示すとするNon-GAAPベースの営業損益は、前年同期比で251億円改善し、3億円の赤字まで縮小。EBITDAは51.4%増の799億円の黒字となり、キャッシュ創出力は堅調だった。

営業利益の改善の主な要因は、モバイル事業の赤字縮小。楽天モバイル単体では売上収益が40.7%増の872億円。Non-GAAP営業損失は491億円で、前年から175億円改善した。毎年第1四半期に計上される固定資産税を除いたEBITDAベースでは、1億200万円の黒字を達成。携帯キャリア参入以来、初の四半期黒字となった。契約回線数は863万回線、ARPU(月間平均収入)は2,827円で、前年より118円増加した。

インターネットサービスは、売上収益が3,055億円で6.9%増、営業利益は132億円で25.8%増と増収増益。楽天市場や楽天トラベルに加え、広告や海外事業も堅調に推移した。国内EC流通総額は1.4兆円で3%増加した。

フィンテック分野では、売上収益が2,236億円(15.6%増)、営業利益が439億円(21.7%増)と二桁成長を記録。楽天カードの取扱高は6.3兆円、楽天銀行の預金残高は11.4兆円。楽天ペイメントも営業黒字を大幅に伸ばし、19億円(前年同期比133.2%増)となった。

今後は、業務効率を20%改善する「トリプル20」戦略や、仮想化ネットワークによる営業レバレッジの強化に加え、ASTスペースモバイルと連携した低軌道衛星通信サービスの商用化も予定している。国内でのサービス開始は2026年第4四半期を目指す。