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iPhoneのマイナンバーカード、ついにスタート iOS 18.5以降
2025年6月24日 10:37
6月24日7時30分、マイナンバーカードのiPhone搭載がスタートした。「iPhoneのマイナンバーカード」と呼ばれるこの機能は、iPhone(Appleウォレット)に入れて利用できるマイナンバーカードとなり、実物のマイナンバーカードの代わりに、顔や指紋での認証(Face IDやTouch ID)で、マイナポータルへのログインや、コンビニでの証明書取得などの行政サービスを利用できるようになる。対応機種はiPhone XS以降で、OSはiOS 18.5以降。
- マイナポータルへのログインや署名
- 「マイナポータルへのログイン」による行政サービス利用
(薬や医療費、年金の記録の確認や引越し手続きなど) - コンビニでの証明書の取得
(住民票の写しや印鑑登録証明書などの各種証明書の取得)
主な機能
「マイナポータル」へのログインが、Face IDもしくはTouch IDで完結できるため、マイナンバーカードを携帯していない場合でも、マイナポータルの手続きが行なえる。
また、iPhoneのマイナンバーカードを使って、コンビニの複合機で住民票の写しや印鑑登録証明書などの各種証明書を取得する場合、iPhoneのサイドボタンをダブルクリックして、Face IDで認証。iPhoneを複合機にかざすことで、「マイナンバーカード」としてiPhoneを利用できる。カードが不要なだけでなく、Face IDの顔認証により、暗証番号入力が要らない点も特徴となる。
対応のコンビニは、セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップなど。
なお、iPhoneのマイナンバーカードでは、利用者の医療や銀行口座などのプライバシー性の高い情報は記録されない。
氏名・生年月日など券面記載情報の証明にも対応する。7月中には「マイナンバーカード対面確認アプリ」のiOS版で、iPhoneのマイナンバーカードによる対面で本人確認ができる機能を追加する。これらにより、多くの場面でマイナンバーカード自体を持ち運ばずに、スマホで完結可能にする。
今後の機能強化で重要なのは、「マイナ保険証」への対応だ。マイナ保険証については、病院側の対応が必要で、厚労省では、7月から実証実験を開始し、9月ごろから一部の医療機関で運用開始予定。現在のリーダーにアタッチメントを付ける形を想定している。
また、令和7年分(2026年)の確定申告も、iPhoneのマイナンバーカードに対応予定。iPhoneだけで申告書の作成やe-Tax送信が可能になる。
加えて、銀行や証券の口座開設、携帯電話申込、キャッシュレス決済申込などのサービスや、店舗や窓口で本人確認を求められるシーンでも、iPhoneのマイナンバーカードを利用できるようにしていく予定。
なお、当面は店舗や窓口での本人確認書類としては利用できない(店側の対応が必要となる)。そのためデジタル庁は、実物のマイナンバーカードしか対応していない場合に備えて、必ず実物のカードも携帯するよう呼びかけている。
「iPhoneのマイナンバーカード」の対象機種は、iPhone 11シリーズから16シリーズと、iPhone SE(第2、第3世代)、iPhone XS/XS Max、XR。
対象機種であれば、指紋認証の「Touch ID」でも利用できるが、認証のために登録できる指は「1本」で、複数の指を登録できない。Face IDも通常のiPhone利用ではマスクあり/なしなどで登録できるが、マイナカード用に使える顔情報は1つだけになる。これはアップルのセキュリティ仕様によるもの。
最新の「マイナポータル」アプリを用意して追加
アップデートには、対応機種を最新のiOSにするほか、マイナポータルアプリも最新版にする必要がある。また、券面入力用の4桁の暗証番号と、署名用パスワード(6~16桁)も事前に用意する。
iPhoneのマイナンバーカード追加は、利用規約等を確認し、本人確認で顔の動きを撮影、その後暗証番号とパスワードを設定し、Apple ウォレットに追加する。パスワードと暗証番号は独自のものも設定できるが、署名用パスワードはマイナンバーカードのものを引き継ぐ設定も用意されている。
マイナンバーカードをiPhoneに追加すると、Appleウォレットにマイナンバーカードが表示される。登録後5分程度で反映が完了し、マイナポータルのログインがFace IDだけで行なえるようになった。
マイナンバーカードの登録はiPhone 1台まで
なお、iPhoneのマイナンバーカードは、運転免許証の代わりにはならない。実物のマイナンバーカードと運転免許証を一体化した場合は、実物のマイナンバーカード(マイナ免許証)か運転免許証を携帯する必要がある。
警察庁らは、運転免許証のスマートフォン搭載も進めているが、免許証のスマホ内蔵はこの対応を待つこととなる。
iPhoneのマイナンバーカードが使えるのは、iiPhone1台につき、1枚のマイナンバーカードまで。複数のiPhoneに同時にマイナンバーカードを追加はできない。また、Androidでスマホ電子証明書を搭載している場合は、iPhoneのマイナンバーカードを登録するとAndroid側は無効化される。
端末と回線名義がカードと一致する必要はないため、親が契約した子供が利用するiPhoneに子供のマイナンバーカードを追加することは可能。ただし、親のスマホに親と子のマイナンバーカードを追加することはできない。
iPhoneのマイナンバーカードは、電子証明書の有効期限がくると自動失効となる。証明書を更新すると、マイナポータルアプリのホーム画面に「利用を再開」というボタンが表示。更新したマイナンバーカードを使って、マイナポータルアプリから再開手続きが行なえる。
スマホの盗難にあった場合は、コールセンターへ電話し、スマートフォンのマイナンバーカードを一時利用停止する。iPhoneでは、Appleの「探す」機能が有効な場合、紛失としてマークすることでも一時利用停止できる。
なお、iPhoneの機種変更については、機種変更後に再発行の手続きを再度行なう形となる予定。新たなiPhoneが登場した場合は、原則アップルが検証済みのため、すぐにiPhoneのマイナンバーカードを利用可能になる見込みだという。